ハル と
アキ 春と秋です。気温が同じ様なこの時期は、どちらも一年の内で一番すごしやすく、一見同じ様に見えますが、パラグライダーで空を飛んでみると両者には大きな違いがあることがわかります。 それは、地表温度の違いに起因しています。 春は、冬の間、ずーっと気温の低い日が続き、地表温度は下がっています。特にパラグライダーで飛行する山などは積雪し、地面は冷え切っています。その状態から徐々に日差しが強くなり、春になっていくのですが、日差しが強くなれば、比熱の小さい空気は直ぐに温度が上がりますが、空気に比べて比熱の大きな地面は、なかなか温度が上がりません。日差しによって暖められると、いち早く空気の温度が上がり、その結果、対流が発生します。地面は冷たく、暖められた空気との温度差が大きいため、この対流は強くなります。この強い対流=上昇気流は、小さくても強弱がはっきりしており、飛んでいるとボコボコ、ゴツゴツ という、荒れている様な感じです。川の流れに例えると、渓流に笹船を浮かべた様な感じで、あれよ、あれよと翻弄されます。 一方、秋は、この逆で、地面温度が暖かいので、対流は強くならず、なめらかで安定しています。 この原理の巨大化したものが『春一番』です。 春先、東シナ海や黄海方面に発生した低気圧(=上昇気流)が日本海に進んできて、日本海で強く発達します。 この時、太平洋側から勢い良く南風を吸い込むのが春一番の原因なのです。 春の到来を告げるような季節の言葉として使われていますが、実際には非常に荒々しい天候なのです。 |